Rheumatoid Arthritis
関節リウマチ

Rheumatism
痛みとこわばりを和らげ、
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関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。女性に多い傾向がありますが、年齢や性別を問わず発症します。
発症後の早い時期に診断し、適切な治療を始めることが、関節の障害を防ぎ、将来の生活の質を保つうえで重要です。
院長は長年にわたり関節リウマチの診療に携わってきました。これまでの経験を生かし、一人ひとりの病状や生活に合わせた治療をご提案します。
このような症状はありませんか?
- 朝起きたときに手や足の関節がこわばる
- 手指や手首、足趾など複数の関節が腫れて痛む
- 左右の同じような関節に症状がある
- 関節を動かしにくい、力が入りにくい
- 微熱やだるさ、疲れやすさが続いている
これらの症状があっても、必ずしも関節リウマチとは限りません。
ただし、関節の腫れや朝のこわばりが続く場合は、早めの受診をおすすめします。
関節リウマチとは?

関節リウマチは、免疫の働きに異常が生じ、主に関節を包む滑膜に炎症が起こる病気です。
炎症が続くと、関節の痛みや腫れが生じ、進行すると軟骨や骨が傷んで関節の変形や機能障害につながることがあります。また、関節だけでなく、だるさや微熱など全身の症状が現れる場合もあります。
現在は治療法が進歩しており、早期に診断して適切な治療を行うことで、関節の炎症を抑え、これまでに近い日常生活を維持することが期待できます。
関節リウマチと変形性関節症との違い
関節リウマチでは、手指の付け根や第2関節、手首、足趾などに、腫れや痛みが現れることが多く、左右両側に症状がみられることもあります。膝関節に水がたまってくることも多いです。
一方、変形性関節症は、関節軟骨の変性や関節の変形によって起こり、手指の第1関節や膝関節などに多くみられます。骨が出っ張って触れることが多いです。
ただし、症状の現れ方には個人差があり、両方の病気が併存することもあります。見た目や触った感触だけでは判断できないため、診察や血液検査、画像検査などを組み合わせて診断します。
発症する年代について

関節リウマチは女性に多い病気ですが、男性にも発症し、年代を問わずみられます。
以前は30~50歳代の女性に多いと説明されてきましたが、近年は発症年齢が高くなり、60歳以降に発症する方も増えています。一般に、60歳以上で発症するものを「高齢発症関節リウマチ」と呼びます。
高齢発症関節リウマチでは、若い年代で発症する場合と比べて男女差が小さくなり、男性にも比較的多くみられます。そのため、高齢の方や男性であっても、関節の腫れや朝のこわばりが続く場合には、関節リウマチを考えて早めに診断を受けることが大切です。
痛みが起こる仕組みと早期治療の重要性
関節リウマチの原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、本来は細菌やウイルスなどから身体を守る免疫の仕組みに異常が生じ、自分自身の関節を攻撃してしまうことが関係していると考えられています。
免疫の異常によって、関節の内側を覆う「滑膜」に炎症が起こります。TNF-αやIL-6などの炎症性サイトカインが過剰につくられることで滑膜が腫れ、関節の痛みや腫れ、こわばりなどが現れます。炎症が長く続くと、軟骨や骨が徐々に傷つき、関節の変形や機能低下につながることがあります。
近年は治療薬が大きく進歩し、早い段階から適切な治療を行うことで、炎症を抑えて症状が落ち着いた状態(寛解)を目指し、関節の障害を防ぐことが期待できるようになりました。一度進んだ関節の破壊を元に戻すことは難しいため、できるだけ早く診断し、治療を始めることが大切です。
関節リウマチの症状
関節リウマチの症状には、大きく分けて「関節の症状」と「関節以外の症状」があります。
関節リウマチでみられる症状

関節の痛み・腫れ・こわばり
関節リウマチでは、手指、手首、足の指などの関節に、痛みや腫れが現れます。左右の同じ関節に症状が出ることが多く、触れると熱をもっていることもあります。症状は数週間から数か月かけて徐々に現れることが一般的ですが、比較的急に始まる場合もあります。
また、関節を動かし始めるときにこわばりや動かしにくさを感じ、身体を動かしているうちに少しずつ軽くなることがあります。特に朝起きたときに現れやすいため、「朝のこわばり」と呼ばれています。
関節以外にみられる症状・合併症
関節リウマチは、関節だけでなく全身に影響する病気です。病気そのものや合併症によって、次のような症状がみられることがあります。
- 全身の症状
- 微熱、疲れやすさ、だるさ、体重減少、食欲の低下などがみられることがあります。
- リウマチ結節
- 肘などの圧迫を受けやすい部位の皮下に、痛みを伴わない硬いしこりができることがあります。
- 肺の合併症
- 肺に炎症や線維化が起こる「間質性肺疾患」を合併し、せきや息切れなどが現れることがあります。自覚症状がないまま、検査で見つかる場合もあります。
- シェーグレン症候群
- 涙や唾液の分泌が少なくなり、目の乾燥や異物感、口の渇きなどが現れることがあります。関節症状だけでなく、せきや息切れ、目や口の乾燥などがある場合も、診察時にお知らせください。
検査・診断

関節リウマチは、関節の破壊が進む前に早期発見し、適切な治療を始めることが大切です。診断では、症状の経過や関節の腫れを丁寧に確認するとともに、血液検査や画像検査を行います。血液検査では、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体、CRP・赤沈などの炎症反応を調べます。さらに、X線検査や関節超音波(エコー)検査を用いて、関節滑膜炎や骨・軟骨の状態を評価します。
関節リウマチの評価には、「症状のある関節の数」「リウマトイド因子・抗CCP抗体」「炎症反応」「症状が続いている期間」の4項目からなる分類基準も用いられます。血液検査の結果だけで診断できる病気ではありません。検査値が陰性でも関節リウマチの場合があり、反対に陽性でも関節リウマチとは限らないため、診察所見や画像検査を含めて総合的に診断いたします。
初期の関節リウマチによる手指の痛みやこわばりは、更年期にみられる手指症状や、ヘバーデン結節などの変形性関節症と似ていることがあります。症状の現れ方や関節の腫れ、血液検査、画像所見などを総合的に評価し、他の病気との鑑別を行います。
当院で行う主な検査

関節リウマチの診断や病状の評価、安全な治療のために、症状に応じて血液検査や尿検査を行います。検査結果だけで診断するのではなく、関節の症状や診察所見、画像検査などを含めて総合的に判断します。
血液検査・尿検査
- リウマトイド因子(RF)
- 関節リウマチの患者さまの約70%で陽性となる自己抗体です。ただし、ほかの病気や健康な方でも陽性になることがあり、陽性だけで関節リウマチと診断することはできません。
反対に、陰性でも関節リウマチの場合があります。健康診断などで陽性を指摘され、関節の痛みや腫れ、朝のこわばりなどがある場合はご相談ください。 - 抗CCP抗体
- 関節リウマチに対する特異度が高く、早期診断に役立つ自己抗体です。症状が現れる前から陽性になる場合もあり、将来的な関節破壊の進みやすさを予測するうえでも参考になります。
ただし、陰性でも関節リウマチを否定できるわけではないため、ほかの検査や診察所見と合わせて判断します。 - CRP・赤沈(ESR)
- 体内で起きている炎症の程度を調べます。関節リウマチの活動性や治療効果を評価するために用いますが、感染症など、ほかの原因によって高くなることもあります。
- MMP-3
- 関節を覆う滑膜の炎症を反映する検査です。関節リウマチの活動性や治療効果を評価する際の参考になります。関節破壊との関連もあります。
血球・肝機能・腎機能など
貧血や白血球・血小板の異常、肝臓や腎臓の状態などを確認します。関節リウマチによる全身への影響を調べるとともに、薬物治療を安全に続けるため、定期的に検査します。
尿検査
尿蛋白や尿潜血などを調べ、腎臓の状態や合併症の有無を確認します。治療薬を安全に使用するための評価に役立てます。
関節のX線検査(レントゲン)

症状に応じて、手指、手首、足の指などのX線撮影を行います。関節の隙間が狭くなっていないか、骨びらんと呼ばれる骨の損傷や関節の変形がないかを確認し、診断や病状の経過を評価します。
ただし、発症初期にはX線画像に異常が現れないこともあるため、診察や血液検査、超音波検査などを組み合わせて総合的に判断します。
関節超音波検査(エコー)
超音波を用いて、関節を覆う滑膜の腫れや関節液の貯留、炎症による血流の増加などを確認します。X線検査では捉えにくい初期の関節炎を評価できるほか、治療効果の判定にも役立ちます。
被ばくの心配がなく、診察室で関節を動かしながらリアルタイムに観察できる検査です。
胸部X線検査(レントゲン)
関節リウマチでは、間質性肺疾患などの肺病変を合併することがあります。また、治療薬を安全に使用するため、治療開始前や治療中に、必要に応じて胸部X線検査を行います。
胸部X線検査だけでは初期の肺病変を確認できないこともあるため、せきや息切れなどの症状、診察・検査所見に応じて、連携医療機関でのCT検査や呼吸器内科への紹介を行います。
Point
関節リウマチの治療は、効果と安全性を確認しながら続けることが大切です
関節リウマチの治療では、定期的に病気の活動性を評価し、目標とする状態に達していない場合は治療内容を見直します。
当院では、治療薬の効果だけでなく、副作用や感染症、間質性肺疾患などの合併症にも注意し、必要に応じて血液検査、尿検査、画像検査などを行います。一人ひとりの病状や治療内容に合わせ、安全性に配慮しながら治療を継続します。
当院で行う治療
関節リウマチの原因を完全に取り除く根治療法は、現在のところ確立されていません。しかし、治療薬の進歩により、関節の炎症を十分に抑え、症状が落ち着いた「寛解」という状態を目指せるようになりました。
当院では、薬物療法と運動器リハビリテーションを組み合わせ、次のことを治療の目標としています。
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関節の痛みや腫れ、こわばりを抑える
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関節の破壊や変形を予防する
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関節の動きと身体機能を維持・改善する
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日常生活や仕事を続け、生活の質(QOL)を保つ
関節リウマチでは、発症後の早い段階から関節破壊が進むことがあります。早期治療によって良好な経過が期待できる重要な時期は、「治療の機会の窓(window of opportunity)」と呼ばれています。
関節の障害が進んでからでは元の状態に戻すことが難しいため、早期に診断し、適切な治療を始めることが大切です。
薬物治療
抗リウマチ薬
関節リウマチ治療の中心となる薬です。免疫の異常に働きかけ、関節の炎症や破壊の進行を抑えます。
メソトレキサートをはじめとする従来型抗リウマチ薬を、患者さまの病状や合併症に応じて使用します。効果が現れるまで時間がかかることがあるため、定期的な診察と検査を行いながら治療します。
痛みや炎症を和らげる薬

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、関節の痛みや炎症を和らげますが、関節破壊の進行を直接抑える薬ではありません。
副腎皮質ステロイドは炎症を速やかに抑える効果がありますが、感染症、骨粗鬆症、糖尿病などの副作用に注意が必要です。使用する場合は、必要性を慎重に判断し、できるだけ少ない量・短い期間での使用を検討します。
生物学的製剤・JAK阻害薬
従来型抗リウマチ薬で十分な効果が得られない場合などには、生物学的製剤やJAK阻害薬を検討します。
- 生物学的製剤
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関節の炎症に関係するサイトカインや免疫細胞の働きを選択的に抑える薬です。注射または点滴で投与し、炎症を抑えて関節破壊の進行を防ぐことを目指します。
- 治療中は、肺炎などの感染症、結核やB型肝炎の再活性化、注射部位の赤みや腫れ、点滴時の反応などに注意します。治療開始前には、必要な検査を行います。
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関節の炎症に関係するサイトカインや免疫細胞の働きを選択的に抑える薬です。注射または点滴で投与し、炎症を抑えて関節破壊の進行を防ぐことを目指します。
- JAK阻害薬
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細胞内の炎症に関わる情報伝達を抑える内服薬です。関節の炎症や痛み、腫れを抑え、関節破壊の進行を防ぐ効果が期待できます。
- 感染症、特に帯状疱疹に注意が必要です。また、血球数、肝機能、脂質などの変化に加え、患者さまの年齢や既往歴によっては、血栓症、心血管疾患、悪性腫瘍などのリスクも考慮します。治療前に一人ひとりのリスクを評価し、治療中も定期的に検査します。帯状疱疹にはワクチン接種も有効です。
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細胞内の炎症に関わる情報伝達を抑える内服薬です。関節の炎症や痛み、腫れを抑え、関節破壊の進行を防ぐ効果が期待できます。
リハビリテーション(物理療法/消炎鎮痛処置)
症状に応じて温熱療法や低周波治療などを行い、痛みや筋肉の緊張の軽減を図ります。関節の炎症の程度を確認しながら、適切な方法を選択します。
運動器リハビリテーション

理学療法士・作業療法士が、関節の状態や生活上のお困りごとに合わせて個別に対応します。関節の可動域を保つ運動や筋力訓練をおこない、拘縮や筋力低下を防ぐようにいたします。
また関節への負担を減らす動作などを取り入れ、日常生活の維持・改善を目指します。炎症が強い時期には無理に動かさず、病状に合わせて運動量を調整します。
地域医療連携によるサポート
間質性肺疾患などの内科的な合併症、精密検査、治療が必要な場合は、呼吸器内科や腎臓内科などの専門医と連携します。
手術治療が必要と判断した場合には、治療に最適な専門医療機関へご紹介します。
上小メディカルネットなどを活用して画像や検査結果を共有し、専門医療機関での治療後も、当院で継続して診療できる体制を整えています。
よくある質問
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手の指の関節が痛いのですが、関節リウマチでしょうか?
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関節リウマチの可能性もありますが、手指の痛みやこわばりを起こす病気はほかにもあります。特に中高年の女性では、更年期にみられる手指症状である場合もありますし、男性でも女性でも、ヘバーデン結節やブシャール結節、母指CM関節症などの変形性関節症、腱鞘炎なども考えられます。
関節リウマチとこれらの病気では治療方法が異なるため、症状の現れ方や関節の腫れを診察し、血液検査やX線・超音波検査などを組み合わせて鑑別します。朝のこわばりや関節の腫れが続く場合は、お早めにご相談ください。
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関節リウマチと診断されたら、一生お薬を飲み続けなければいけませんか?
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関節リウマチは継続的な管理が必要な病気ですが、すべての患者さまが同じ薬を一生飲み続けるとは限りません。適切な治療を始めることで、炎症を抑え、症状がほとんどなくなった「寛解」という状態を目指すことができます。寛解が一定期間続いた場合は、病状を慎重に確認しながら、薬の減量を検討できることがあります。
一方、薬を減らしたり中止したりすると再燃することもあります。自己判断で服用を中止せず、主治医と相談しながら治療を調整することが大切です。
長引く関節の痛みを、我慢していませんか?
関節リウマチでは、薬物療法によって炎症を抑えるとともに、関節の動きや筋力、日常生活の機能を保つことが大切です。
当院では、病状に応じた薬物療法と運動器リハビリテーションを組み合わせ、一人ひとりの生活に合った治療をご提案しています。手指の痛みや朝のこわばり、関節の腫れが続いている方は、お早めにご相談ください。