リウマチについて

関節リウマチとは?

ロコモティブシンドロームとは? 一般に、骨や関節、筋肉など、身体を支え動かす運動器が、免疫の異常により全身的な炎症を伴って侵される病気を総称して 『リウマチ性疾患』といいます。このうち、主に関節に炎症を起こし関節の痛みや腫れを起こす病気が『関節リウマチ』です。
関節リウマチの特徴的な症状は関節の腫れです。もっとも起きやすいのが、手首や手指、足趾の関節です。また、対称性といって、左右両側の関節にあらわれることが多いのが特徴です。
関節リウマチとよく似た病気に 『変形性関節症』がありますが、この病気は、骨の隆起を硬く触れ、手指の第一関節や膝関節に多くみられます。一方、関節リウマチは、やわらかい腫れがあって、膝関節では水がたまっていることが多いです。
関節リウマチの発症のピークは30〜40歳代で、性別では女性に多く、男性に比べ5〜6倍です。しかし、最近は60歳代からの発症も多く、この場合を 『高齢発症関節リウマチ』と呼んでいます。高齢発症関節リウマチでは、男女の発症率に差はありません 。
完全に病気の原因がわかっているわけではありませんが、免疫系(細菌などから体を防御するシステム)に異常があることはわかっています。この免疫系が異常に活動した結果として、関節滑膜(かつまく)組織にリンパ球、マクロファージなどがでてきます。 ロコモティブシンドロームとは?このリンパ球やマクロファージが産生する炎症性サイトカイン(TNFα、IL-6など)の作用により関節内に炎症反応がひき起こされます。関節の内面を覆っている滑膜細胞の増殖が起こり、痛みや腫れを起こし、関節液が増加し、軟骨・骨の破壊が進んでいきます。しかし、最近は治療薬の進歩により関節リウマチの進行を抑えることが可能となってきました。なるべく早い時期に診断して、治療を始めることがより大切です。

関節リウマチの症状

ロコモティブシンドロームとは? 関節リウマチの症状には、関節の症状と関節以外の症状があります。
全身の関節(主に手指、足趾、手首の関節)の痛みと腫れが数週間から数か月の間に徐々に起こります。触れると熱感があることもあります。関節を動かし始めるときにこわばって、なんとなく動かしにくく、使っているうちにだんだん楽に動かせるようになります。
朝、起きたときに最も強く感じるので 『朝のこわばり』と呼ばれます。
関節以外の全身症状として、疲れやすさ、脱力感、体重減少、食欲低下がみられます。肘の外側、後頭部、腰骨の上など圧迫が加わりやすい部位の皮下にリウマチ結節と呼ばれるしこりを生じることがあります。膠原病肺と呼ばれますが、間質性肺炎、肺線維症といった肺に変化が出てくることもあります。涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群がみられることもあります。

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断は、近年、早期診断早期治療開始が大切なことへの認識から、より早期に診断できるように基準が改訂されました。

リウマチ診断基準

  • 症状がある関節の数
  • リウマチ因子(RF)または抗CCP抗体
  • CRPまたは赤沈
  • 症状が続いている期間

4項目について検討します。早期に診断できる代わりに、誤って診断しないようにリウマチ専門医の確かな目が必要です。
関節リウマチの診断をするときに役立つ検査に、血液検査(リウマチ因子、抗CCP抗体、MMP-3、赤沈、CRP)、尿検査(尿たんぱく、尿潜血)手指、足趾、胸部レントゲン写真があります。

関節リウマチの検査

リウマチ因子(RF)は、関節リウマチの患者さんの80~90%で陽性となります。リウマチ患者さんでも陽性とでないこともあり、また反対に健康な人でも陽性となることもあります。したがってリウマチ陽性でもすぐ関節リウマチというわけではありません。健康診断などでリウマチ因子が陽性にでた場合は過度に心配せず、リウマチ専門医を受診してください。
抗CCP抗体はリウマチ因子よりも早期から陽性になるとされており、早期診断や、関節リウマチの病勢診断に有効です。赤沈やCRPは関節リウマチ炎症の程度を知る上で大切な検査です。 MMP-3は滑膜の炎症度合い、軟骨の破壊が起こっている指標になります。 ロコモティブシンドロームとは? 関節リウマチの診断のために、また関節リウマチの進行や関節症状の進み方の検査として、各関節や胸部のレントゲン写真を定期的に撮影します。手指や手関節の骨の様子から診断に至ることも多く、また症状のない膠原病肺(間質性肺炎)が見つかって診断されることもあります。
関節リウマチの治療は継続していくことが大切です。関節リウマチの全身症状(膠原病肺)の発見や薬の副作用の確認のためにも定期的な血液検査、尿検査、レントゲン写真が大切です。

関節リウマチの治療

関節リウマチの原因をとりのぞく根治療法は今のところありません。しかし、抗炎症鎮痛薬のみでの対症療法ではなく、メソトレキサートなどの抗リウマチ薬や生物学的製剤を積極的に使うことによって病勢を充分に抑えることが治療の目標となりました。

リウマチ治療目標

症状の緩和

関節の破壊や変形を予防

破壊された関節の再建

生活の質を維持

早期に治療しないと関節の破壊が進み、元のように回復することができなくなります。この期間をwindow of opportunity と呼びます。リウマチ専門医の診断のもと、適切なタイミングで必要充分な治療を受けることが大切です。

これらの薬を上手に使い分け・併用していきます

  • 非ステロイド抗炎症薬(消炎鎮痛薬)
  • 副腎皮質ステロイド(ステロイド)
  • 抗リウマチ薬と免疫抑制薬
  • 生物学的製剤
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