院長ブログ

骨粗鬆症治療と顎骨壊死 最近の考え方

2020年05月03日

骨粗鬆症はその原因によって、患者さまごとに最適な治療が可能になりました。
骨を新たに作る薬(骨形成促進薬)、骨が壊れていくのを防ぐ(骨吸収抑制薬)など適切な治療を受ければ、骨折予防効果があります。
一方でいまだに『薬を飲むと歯が抜けなくなる』とか『顎の骨がボロボロになる』といった根拠のないウワサで悩む患者さまが多いのが実情です。
日本骨粗鬆症学会誌へ松本歯科大学田口明先生が『骨粗鬆症治療患者における顎骨壊死の最近の考え方』としてたいへん良いまとめを書いてくださっているのでご紹介いたします。
①骨粗鬆症患者では口腔内の炎症が起こりやすい、悪くなりやすい
②日本口腔外科学会は『休薬なし』の立場になったが、一般歯科医院では情報が伝わっておらずいまだ休薬を求める歯科医院が多い
③抜くべき歯が残されて骨髄炎リスクが高くなり顎骨壊死が増えるリスクが高い
④骨壊死は骨髄炎であり、口腔ケア、感染予防が大切である
⑤ビスフォスフォネート製剤が歯周病改善に有効という報告が多くあり、歯周病リスクが低下すれば顎骨壊死のリスクも低下する
骨粗鬆症治療薬の休薬は顎骨壊死予防効果はないこと、むしろ骨折リスクを高め生活の質を落としてしまう、ロコモになってしまうということを医師、歯科医師、薬剤師、看護師など全医療者そして患者さまに啓発していく必要があります。

  • 森ロコモクリニック
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